「三つの感情」:ハンセン病療養所の世界遺産登録を目指すロゴデザイン

大森剛氏によるブランドアイデンティティの創造

大森剛氏によるユニークなロゴデザインは、ハンセン病療養所の世界遺産登録を目指す非営利団体の象徴となっています。このロゴは、悲劇的な過去を忘れてはならないという強力なメッセージを伝えています。

このデザインのインスピレーションは、ネガティブな歴史を繰り返さないという団体の高貴な使命から来ています。特に、現在のCovid-19の危機の中で、心無い行動や発言が増えている今日、ロゴの背後にある強力なメッセージはより一層響きます。

このロゴは、患者が長年にわたって経験してきた三つの感情 - 苦悩、悲しみ、希望 - を描いたピクトグラムから始まりました。それぞれのピクトグラムの口部分を橋の形に配置し、未来の世代に対する悲劇的な歴史の仲介者としての意志を示しています。また、これは病名の最初の文字であるHを表しています。

このロゴは、保育園、幼稚園、病院の壁に掲示され、私たちの明るい未来を支える若者たちの意識を高める役割を果たしています。その活動を支援するため、ロゴとキービジュアルはダウンロード可能です。スマートフォンの待機画面やステッカーなどもウェブサイトから無料でダウンロードできます。

このロゴのデザインは、実際の奥長島橋からインスピレーションを得ています。この橋は、療養所のある長島に1988年に開通し、療養所の住民たちの努力と闘争の結果として生まれました。人間回復橋とも呼ばれ、住民たちが差別と偏見に対抗する象徴となっています。現在、彼らの平均年齢が85歳を超えているため、私たちは彼らのために行動を起こす必要があります。

国籍や世代を問わず、より広範な視聴者にアピールするために、できるだけ直接的でキャッチーで直感的なロゴをデザインすることに努力しました。成功した結果、ロゴは深い意味を持ち、その物語を伝えるポスターが今日、保育園、幼稚園、病院の壁に掲示されています。また、ロゴは地元の学校の歴史の授業のテキストにも登場します。

このロゴは、ハンセン病療養所の世界遺産登録を目指す非営利団体であるハンセン病療養所世界遺産登録推進協議会の象徴となっています。ロゴとポスターは、ハンセン病患者が長年にわたって被ってきた三つの異なる感情 - 苦悩、悲しみ、希望 - を特徴とし、人々が差別と偏見のない社会を実現するために何ができ、何をすべきかを語っています。特に、現在のCovid-19の危機が長引く中で、ロゴの背後にある強力なメッセージはより一層響きます。

このデザインは、2021年にA' Graphics, Illustration and Visual Communication Design AwardのIron賞を受賞しました。Iron A' Design Awardは、プロフェッショナルで産業要件を満たすように設計され、実用的で革新的な創造物に授与されます。業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献することを評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Tsuyoshi Omori
画像クレジット: Image#1:Photographer Hikaru Kodani, 2020. Image#2:Photographer Hikaru Kodani, 2020. Image#3:Photographer Hikaru Kodani, 2020.
プロジェクトチームのメンバー: Arte Director and Designer: Tsuyoshi Omori Photographer: Hikaru Kodani Translator: Yukiko Nishikawa
プロジェクト名: Three Emotions
プロジェクトのクライアント: Tsuyoshi Omori


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